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食卓に華を咲かせる魔法の食材【エディブルフラワー】とは

エディブルフラワーをご存知ですか?少しずつレストランでも目にする事が増えてきました。今回はそんなエディブルフラワーのことを、エディブルフラワー協会理事のjuliさんに詳しく教えて頂きました。
更新日:2017年03月25日

About

juli

日本エディブルフラワー協会理事
新宿「夜のケーキ屋さん」運営

「エディブルフラワー」という言葉を聞いたことがありますか?

Edible(=食べられる)Flower(=お花)、その名の通り食用花のことを言います。

最近では、SNSでも見かける機会も増えましたが、実は昔から花を食べる文化というのは愛されてきました。

菊の煮びたしや桜の塩漬けも、日本で昔から楽しまれてきた花を食べる文化ですね。
菜の花やブロッコリーも、野菜の花部分です。

実は食卓にも花を食べる文化は楽しまれているのです。

野菜にはなかなか無い独特なカラーが揃うのもエディブルフラワーの特徴です。
ピンクやパープル、ブルーの色合いは、他の食材では表現しづらい、エディブルフラワーだからこその天然の色合いです。



(横山園芸・ムーランフリルパンジー)

SNSでも見かけるように、エディブルフラワーが使われた料理やスイーツは、とってもフォトジェニックで…使ってみたい!と思った人も多いのではないでしょうか?

では「エディブルフラワー」として食材に使える花はどんな花でしょうか?

実は、花なら何でも食べられるというわけではありません。

エディブルフラワーとして使える花とは!?

①毒性のない花
わかりやすい例はキノコです。美味しいキノコもたくさんありますが、食べられない毒キノコも存在しますね。
同じように花でも、毒性のある花があります。

いちばん有名なのはトリカブト、微量でも体内に取り入れるのは危険があります。

身近な花で挙げると、スズランやアジサイ。これらはなじみのある花ですが鑑賞して楽しみましょう。食用には出来ません。

食用として体内に取り入れても毒性がないことがわかっている花を、エディブルフラワーとして楽しみましょう。
(食物アレルギーについては、人によって異なるため、医師とご相談ください)

②いわゆる「農薬」が使われていない花
例えば、お花屋さんで綺麗に花束になっているような花たちのほとんどには、「虫が来ないようにする農薬」「花が長く綺麗に咲くための農薬」が使われていることが一般的です。

これらの農薬はほとんど食用として認可のある薬剤ではないので、お花屋さんに並ぶ観賞用や園芸用の花たちはエディブルフラワーとしては使えません。

エディブルフラワー生産者さんたちの多くは、エディブルフラワーの栽培期間中において一切の化学農薬を使わずに栽培しています。

日本エディブルフラワー協会のエディブルフラワー生産者さんたちを調べたところ、

全く何も農薬を使わずに手作業で虫対策をこまめに行っている生産者さん、でんぷんや木酢など化学農薬でないもので対策をしている生産者さん、食の安全を考え農薬に頼らない生産をしていることが確認されています。

(※食用花に使うことを認可されている農薬を使って品質管理をしている生産組合もあります。(豊橋エディブルフラワー部会報告))

「農薬」というと難しく考えてしまいがちですが、観賞用や園芸用の花と食用の花では栽培方法が違うということがポイントです。

そして公園などに咲いているパンジーはあくまで観賞用です、お子様にも教えてあげてくださいね。

エディブルフラワーとして食用に販売されている花を使いましょう。



(エディブルフラワーが加わると、とっても華やかに)

エディブルフラワーの生産者さん

エディブルフラワーを活用する人が増えてきたことにより、エディブルフラワーの生産者さんも全国に増えてきています。

日本エディブルフラワー協会の生産者さんであり、農業女子PJでも活躍されている鬼塚美佳さんと吉村奈々さんにお話を聞いてみました。

Q.エディブルフラワーを育てる中で大変なことはありますか?

鬼塚さん「一番は病害虫対策です。化学農薬を使わずに栽培しているので、自然の力も活用していますが、天気によって収穫量も変わるので自然と向き合っていることを実感します。」

Q.手間をかけて栽培したエディブルフラワーをどんな方に食べてもらいたいですか?

吉村さん「結婚式や誕生日等特別な日にはもちろんですが、日常のテーブルにも添えて頂きたいです。わくわくするようなそんな中にも癒しになってほしいと思います。」



 



(まずはサラダから始めてみると取り入れやすいですね)

 エディブルフラワーはビタミンが豊富!

エディブルフラワーって飾りじゃないの?

…そう思っている人も多いのではないでしょうか。

飾りとしても活用できますが、せっかく食用として生産されているエディブルフラワーです、美味しく食べましょう。

初めて使うときは花びらを中心に使うと、料理にも活かしやすいです。

もちろん丸ごと食べても美味しいエディブルフラワーもたくさんあります。

甘みのある花、香る花、酸っぱい花、辛い花…

花の特性を活かすと、料理も楽しくなりますね。



(いろんなエディブルフラワー)

栄養面も数値で実証されています。(食用花き栄養特性調査実績)

エディブルフラワーは実はビタミンが豊富です。

カレンジュラのビタミンAは、にんじんよりも豊富、プリムラのビタミンCはレモンよりも豊富など…。

(いずれも100g換算時における。)

エディブルフラワーは可愛いだけじゃない、食卓を彩り、食事をもっと楽しむ魔法の食材です。

ぜひ、食卓にも取り入れてみてください。

 

エディブルフラワーはこちらの専門店でご購入頂けます
エディブルフラワー専門店HanaLabo

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この記事を書いた人

juli

日本エディブルフラワー協会理事

自身の食物アレルギーを機に、食と向き合う中でエディブルフラワーに魅了され、エディブルフラワーを楽しみ追究していく中で、愛ある生産者さんや食のプロとの出会いや想いに感動し、エディブルフラワーの普及を目指し活動していくことを決意。

新宿「夜のケーキ屋さん」を運営、エディブルフラワーを使ったケーキも好評。

生産者さんたちと共に作るWebショップ「エディブルフラワー専門店HanaLabo」ではエディブルフラワーの購入だけでなく、エディブルフラワーのことがもっと好きになる情報を随時更新している。


日本エディブルフラワー協会
http://www.edibleflower.info

エディブルフラワー専門店HanaLabo
http://edibleflower.jp

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